2009/01/19
動機づけ
昨日のブログで、「モチベーション」につき記述した。
職業会計人のカリスマ、岩永先生の今回の考える言葉も「動機づけ」。
どのような切り口で語るのだろうか。
楽しみである^^
動機づけ(H21.1.19)
前回の“考える言葉”シリーズで、「リーダーシップの本質は“動機づけ”だ」と述べたがその“動機づけ”について考えてみたい。
広辞苑によると、“動機づけ”(motivation)とは「人間や動物を行動に駆り立てること。内部の動因と、外部の触発因との統合によって行われる」とある。
人間の行動を駆り立てる「内なる動因と外なる触発因の統合」の最大の要因を端的にいうと、それは「出逢い」でなかろうか。
少し、自分の歩んできた人生を振り返ってみよう。何か新しいことへチャレンジしようという気持ちになって、行動を起こしたとき、その呼び水となった「出逢い」がなかっただろうか。私が今の職業を選んだのは、下宿先でCPAを目指していた先輩との出逢いであったし、今日至っている仕事のレベルは、その節々における数々の「出逢い」とその後の関係性のあり方に負うところが多い。だから私は、「人の運命は、出逢いによって決す」(経営人間学)という言葉を信じている。
優れたリーダーは、人の心を動かすという。人の情熱に火をつけ、その人の中にある最高の力を引き出すことができる人こそが、真のリーダーであるといえよう。“動機づけ”は、リーダーの最も大切な仕事なのだ。
A・マズローは、人間の動機(欲求)には5段階(①生理的、②安全、③所属と愛、④承認、⑤自己実現)があると考えた。そして、①~④までの欲求を「欠乏動機」として、⑤の自己実現欲求を「成長動機」として捉えた。
21世紀の経営テーマである「自己革新」を推進するリーダーの“動機づけ”は、自己実現という「成長動機」に焦点を当てるべきだと考えている。なぜならば、自己実現という「成長動機」のみが、自らを完成させ最善を尽くそうとする働き、すなわち、セルフモチベーションを確立させ、組織のあらゆる階層で、リーダーシップを発揮できる人材が育つ文化を培ってくれるからである。
人間の成長には、二つの側面がある。一つは、能力的な側面であり、もう一つは価値観的な側面である。能力の成長とは、物事を処理する知識や技術を習得することである。一方、価値観の成長とは、物事の本質を深く考えることができる思想を身につけることである。
実は、マズローのいう自己実現欲求による“動機づけ”は、思想学習による価値観教育が前提にないと、成立し難いと考える。しかも、思想には位相(レベル)があり、経営人間学講座でいう「統合の思想」において他にないのではないだろうか。
次回は、“動機づけ”に深く関わる価値観について考えてみたい。
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