2009/05/11
仕事を人につける
多くの会計事務所は、人に仕事をつけている。
結果的に、その人がいないと困る状態となる。
そして、お客様も取引先も、その状態が困る。
以前、船井財産コンサルタンツ研修で、ホッピィビバレッジの石渡美奈氏の講演を聴いた。
「社長が変われば会社は変わる! ホッピー三代目、跡取り娘の体当たり経営改革」の著書の中で、仕事を人につける意味につき、こうご教授頂いた。
(引用開始)
わが社のように小さな会社では、余剰人員を雇用することなど到底できない。けれど命ある人間だから何が起こるかわからない。
「もしかして、朝、出社したら誰も来ないという有事がないとも限らない。その時に備えてどうしておけば良いのだろう。」
実は、小山さんに出会う前の私は、いつも心の中でこの不安を抱えていた。
「人に仕事をつけてはいけない。仕事に人をつける」
この教えを聞いたとき、私に走った衝撃を今でもよく覚えている。
「これだ・・・!」
しかし、創業以来90年以上、人に仕事がつくこと、部門を聖域化することが当たり前の文化になっていたわが社で、いきなり「仕事に人をつけよう」と話しても、当然のことながら理解されるはずもなく、こと製造部門の人手不足問題では、しばし、加藤木や製造部門の幹部と言い争っていた。
そんな彼らが、「人に仕事をつけていたら人員は幾らいても足りない。仕事に人をつける仕組みに変えていかなければ会社は利益を出せない」と気づいてくれたのは環境整備がきっかけだった。
(引用以上)
集団退職を経験している経営者や幹部の方ならば、「人に仕事をつける」状態の怖さを実感しているはずだ。
「君がいなければ、困る。だから、辞めないでくれ!」と懇願し、そして拒絶される。
あぁ、生々しくなったのでここらへんでやめておこう。
石渡氏が指摘しているとおり、部門を聖域化しているわけで、これは文化だ。
自分にしかできない仕事を日々量産していく。
自分しか知らない情報を机にしまいこんでいく。
この状況を打破することを「改革」という。
改革は概して遅々として進まない。
なぜか。
人に仕事をつけている場合、部下の進捗管理だけ判断の拠り所とし、現場に仕事をまかせきることができる。
そして、何かあれば部下を叱ればよい。
経営者や幹部は考える必要がないので、本音は現状維持で良い。
率直に言おう。これは強烈な自己否定だ。
「人に仕事をつける」やり方を否定するのは、私が相当ツライ。
(ツライから、役職がある)
二人担当性、ノウハウの文書化、データベース構築など考えるべきことが山積みとなるからだ。
スタッフの雇用、会社の存続を考えれば、当然ながら、お客様、ノウハウはすべて会社に帰属する。
第二四半期の中間にあたり、早くも来年の事業目標を意識し始めた。。。
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