2009/05/17
父性の復権
毎月、第三土曜日は経営会議と実務研究の日となる。
午前9時から、経営会議の議長を務める。
属人性のない継続できる組織体制、お客様に選ばれる会計事務所にするためにはどうしたらよいか、こうした問題意識を持ちつつ各部門、部会、委員会の報告を聞く。
さらに、実務研究会では、事務所で共有すべきノウハウを全員に示す。
数時間のなかで、小さい組織ではあるが、リーダーシップが必要と問題点を発見する。
代表権を頂いたばかりの経営者には、その課題がとりわけ大きく映るのかもしれない。
午後1時過ぎ、新規のお客様訪問のため、実務研究会を中座する。
道中、課題で頭が一杯だ。
自宅へ帰る途中、本屋に立ち寄り、リーダーシップ系の本を探す。
夏の夜、小さな虫がどんな頼りない光でも追い求めるように、ビーンズという大型本屋の2階を彷徨う。
気付くと、「父性の復権」という本を手に取っていた。
読む前に、救われたような気がする。
父性の条件は5つ。
(1)まとめあげる力(異なった要素を意味ある全体へ)
(2)理念、文化の継承
(3)全体的・客観的視点
(4)指導力
(5)愛
灼熱の砂漠が一滴の水を吸収するように、脳に活字が刻み込まれてくる。
日本政府も家族も同じ組織。
日本という国は何十兆という規模があって、その大組織をマネジメントするには政治家が必要で与党と野党に分かれてワイワイやっている。
スタッフが数万人もいる組織がある一方、数十名という組織もある。
数億という規模でも経営者が必要で幹部と経営していかねばならぬ。
理想の組織とは何か。
模索は始まったばかりだ。
(本書より)
父の役割は家族を統合し、理念を掲げ、文化を伝え、社会のルールを教えることにある。
この役割が失われると子どもは判断の基準、行動の原理を身につける機会を逸してしまう。
いじめや不登校が起こり、利己的な人間、無気力な人間が増えるのもこの延長線上にある。
独善的な権威を持って君臨する家父長ではなく、健全な権威を備えた父が必要だ。
父性の誕生とその役割を家族の発生と社会の形成との関連から検証し、父性の条件を探る。
この記事へのコメントを書く