2009/05/29
寅さんの人生語録
「男はつらいよ 寅さんの人生語録」をたまに読み返す。
学生の頃から、人生の大事なことは、寅さんにご教授いただいた。
寅さんの偉大なところは、映画のシーンで語りながらその情景が浮かんでしまうこと。
画ではなく、寅さんの言葉でその状況を思い浮かべてしまう。
たとえば。。。
例えば、日暮れ時農家のアゼ道を一人で歩いていると考えてごらん、
庭先にりんどうの花がこぼれるばかりに咲き乱れている農家の茶の間、灯りがあかあかとついて、父親と母親がいて、子供達がいて賑やかに夕飯を食べている。
これが……これが本当の人間の生活というものじゃないかね、君。
(第8作寅次郎恋歌)
言ってみりや、リリーも俺と同じ旅人よ。
見知らぬ土地を旅する間にゃ、
それは人には言えねえ苦労があるのよ……。
例えば、夜汽車の中、いくらも乗っちゃいねえその客もみんな寝ちまって、なぜか俺一人いつまでたっても眠れねえ……
真っ暗な窓ガラスにホッベタくっつけてじっと外を眺めているとよ、
遠くに灯りがポツンポツン……
あ-、あんな所にも人が暮らしているんだなあ……
汽笛がポーツ、ポーツ……ピーツ。
そんな時よ、そんな時、なんだかわけもなく悲しくなって、
涙がポロポロと出たりするのよ。
そういうことってあるだろう、おいちゃん。
(第11作寅次郎忘れ名草)
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