2009/07/27
日本国の貸借対照表(会計学的発想が必要!)
仕事柄、財務諸表を拝見する機会が多い。
貸借対照表を見れば、経営者の財務姿勢がわかる。
先日の金曜日、財務省が日本国の貸借対照表(平成20年3月31日現在)を公表した。
国家は、もともとお金を一銭も持っていない。
国民から税金を徴収して国債という借金をして、配分する機能しか有しない。
やや乱暴な言い方をすれば、国家は、国民からカネを巻きあげてばらまいているにすぎない。
では、日本国の現状はどうかと言えば、資産よりも負債が多い債務超過状態だ。
282兆9千億円の債務超過。
総資産694兆円9千億円、総負債977兆7千億円円(うち、公債675兆円)。
282兆円の債務超過という額が大きすぎてイメージできない。
日本の医療費(毎年33兆円)の9年分か。。。
自己資本比率△40%。
資産負債の勘定科目内訳書も公表されているので、じっくりと吟味する。
未収金には税金の回収がされていないものも結構ある。
出資金には東京大学などの国立大学への出資が含まれている。
(概して、国立大学の経営は健全で評価損計上しているものはない)
キャッシュフロー計算書で分析すればより明確であるが、
1年間で現預金が5兆円減少し、公債という借金が24兆円増加したということは財務状況がどんどん悪化していることは自明だ。
経営者であれば、経営理念に基づいて、組織の継続を図るため、収入増加、支出を減少させる。
今、国会が解散して、経営者(政治家)が変わろうとしている。
この現状の中、税金を減らし、支出を増やそうとするアメの政策は、短期的に国民に受けるだろう。
どんどん貸借対照表が悪化している現状をみて、会計的に発想しなければ、日本の存続はありえない。
【日本経済新聞記事】
国の債務超過282兆円、07年度3.8兆円増、国債発行で膨らむ。
(2009/07/25,日本経済新聞 朝刊, 5頁)
財務省は24日、2007年度の国の資産と負債の状況を示した貸借対照表を公表した。一般会計と特別会計を合算したところ、負債が資産を上回る「債務超過額」は282兆9千億円となり、06年度と比べ3兆8千億円増えた。貸付金など資産が目減りするとともに、国債の発行残高が増えたことなどが響いている。
07年度の資産は前年度に比べて9兆6千億円少ない694兆9千億円。外国債券など外貨建て証券の保有額が増えたものの、財政投融資改革で財務省が政策金融機関などに貸し付ける額は27兆円減った。
負債は5兆8千億円減の977兆8千億円。政府にとって借金となる新規国債と政府短期証券の残高は合わせて31兆8千億円膨らんだ。ただ郵便貯金などの預託金が大きく減ったため、差し引きで総額は減った。
国と関係が深い独立行政法人や特殊法人など214法人を対象に加えた「連結」ベースの貸借対照表も公表した。資産が829兆4千億円だったのに対し、負債は1100兆5千億円で、債務超過額は271兆1千億円になった。
07年度は税収が伸び、新規国債発行を1998年度以降で最も低い水準に抑えることができた。ただ08年度以降は景気が急速に悪化したため、足元の財政状況はさらに悪化しているとみられる。
高速道路の千円を復活させ、日本の地方をもっと個性的で魅力的な地方にさせ、消費税を上げ、グルグル循環させ、民と公が日本国内では財産を同じぐらい持つべきでは???