2009/11/02
医療機関とMS法人間の税務
現在、医療機関とMS(メディカルサービス)法人間の税務につき、研究を開始いたしました。
MS法人の業務は、診療所施設の賃貸・医療器械のリース・医療事務の業務請負・備品関係の卸・経理代行などです。
税務の論点は、医療機関とMS法人間の取引価格の妥当性です。
国税不服審判所の判例では、所得税法 157 条の「同族会社等の行為又は計算の否認」の規定を適用している例もあります。
同族会社の行為又は計算の否認(13件)
山本先生の「税務形式基準と事実認定」という著作の中で、「第9章 不動産管理会社をめぐる形式基準」、「第10章 医療関連法人における形式基準」が参考になります。
その217ページで、山本先生は、所得税法157条(同族会社の行為又は計算の否認)を「伝家の宝刀」としている。
上記の国税不服審判所のHPによれば、御上(おかみ)はすでにその宝刀13回もヌイテいることになる。
「伝家の宝刀」たる所得税法157条(同族会社の行為又は計算の否認)は、このように規定されている。
税務署長は、同族会社等の行為又は計算で、これを容認した場合にはその株主若しくは社員である居住者等の所得税の負担を不当に減少させる結果となると認められる場合に、その居住者の所得税に係る更生又は決定に際し、その行為又は計算にかかわらず、税務署長の認めるところにより所得金額等や所得税額を計算できる。
やや雑駁(ざっぱく)に解説するならば、同族の間で好き勝手に取引したら、それって租税回避でしょ。
そんなことは許されません。
だから、御上が介入します。
こんなところでしょうか。
この規定ルーツは古い。
金子先生の「租税法」によれば、この規定が設けられたのは、大正12年の所得税法の改正であった。
その後、昭和22年の改正で、「法人税法を免れる目的があると認められるものがある場合」と改正され、さらに、昭和25年の改正で現在にように改められた。
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