2009/12/28
国家との合弁事業~日本国家に対する責任と事業主の権利
(損益計算書から見た日本国家に対する責任)
会計人にとって、財務諸表の説明は、大事な仕事です。
しかも、知識や知恵や経験によってその説明が徐々に厚みを増していきます。
損益計算書は、職業会計人にとっては、母親の名前と同じくらい、親しい関係にあり、毎日、何らかの形で目に触れる機会のあるもの。
たとえば、損益計算書は、「売上100としたとき、どの取引先、人達にお金を分配したか」という見方もできます。
お金を分配させて頂いています。まずは、売上の下をみると、仕入れ先。販売費および一般管理費では、スタッフの人件費をお支払いさせて頂いています。ずーっと、下に多額のお金を分配している先があります。
日本国家です。
どの支払先、スタッフもよく知っており、気心の知れた関係であるが、国家はどうでしょうか。
唯一、顔が浮かんでこない、理念や戦略、戦術すべてが漠然とした存在です。
利益の50%を税金として納付させて頂いているにもかかわらず、事業主の方は国家に貢献しているという気概がどうも希薄です。
ソニーの創業メンバー盛田氏が以前、多額の法人を納付させて頂いているのであるから、ソニーは日本国家との合弁事業であると断言しています。
まずは納税という義務をきちんと果たして、企業を継続して、支払先にお金を分配する。そして合弁事業のパートナーである国家に対して初めて、もの申す権利があります。
(貸借対照表から見た日本国家の義務~事業主の権利)
日本国家の財政は危機に瀕しています。明確にいえば、日本の貸借対照表は、債務超過であり、借金たる国債の返済は難しい。
オリックスの宮内CEOの国家観は、日本政府には期待できぬということ。政府が助けてくれると思ってはいけないというのです。
国家は、もともとお金を一銭も持っていない。
国民から税金を徴収して借金して、配分する機能しか有しない。
(多少、俗っぽい表現で仮に謹んで言い換えさせて頂くことをお許し頂けるのであれば、国家は、国民からカネを巻きあげてばらまいているにすぎない。)
宮内CEOは、日本経済が伸びないならば、日本を飛び出し、経営者の力量でグローバルな市場で闘うしかないという。
優良な国内企業がどんどん海外へ進出すれば、当然、税収も伸び悩む。
日本国家の財政は加速度的に悪化していく。
(職業会計人にできること)
我々会計人は、お客様の適正申告を日々、実践しており、国家に貢献していることを自負しています。
国家に対する義務を果たしたうえで、国家は我々への義務を果たして頂きたい。
今まで、利害が対立する話、プロ野球・政治などの話題は避けてきました(笑)が、日本国家が火だるまになりつつあるのに傍観は決してできません。
全国の職業会計人の組織で、日本国家へ提言できる場所があれば、来年以降、積極的に参加していきたいと思います。
さらに、国家が職業会計人に更なる役割で協力してくれというなら喜んで働きます。
私の価値観では、会議で批判して注文するのではなく、まずは自分が何を考え、何ができるか発言することが大事と考えています。
なぜなら、日本国家は、大事な合弁事業のパートナーですから。
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