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2010/10/11

STLOWS中国大連視察レポート

STLOWS中国大連視察レポート
2010年9月22日(水)~25日(土)
異業種交流STLOWSの海外視察としては2回目となる中国大連市に視察に行って参りました。
滞在中、尖閣諸島問題(せんかくしょとうもんだい)が熾烈を極めた頃であり、24日の朝食時に、STLOWS会員より、フジタの社員4名が拘束されたと知らされた。
視察は、そんな日中関係を意識することなく、おかげさまで穏やかに事が進んだ。
また、円も元もドルやユーロに対して随分高くなっている。
1万円=780元であり、2年前は、1万円=650元くらいであったと記憶している。
前回の大連視察は、2008年8月27日(水)~30日(土)。
(視察の趣旨)
1.STLOWS会員であるA社のK専務自身が大連進出しているアウトソーシング会社への訪問
2.STLOWS会員であるY社長のご配慮を頂き、クリーニング会社を視察し、大連市内のクリーニングの現状を知る
3.STLOWS会員であるA常務自身が提携している大連にある割り箸製造工場への訪問
4.趙亜平先生(A社のK会長の刎頚の友)の表敬訪問
1.アウトソーシング会社への訪問
2年前、そのアウトソーシング会社へ訪問した時は、人材の豊富さに驚愕したものだ。事実、職業会計人の激白ブログ2008年8月29日の記事には、このように記述されている。
(引用開始)
私が着目したいのは、むしろ豊富な人口だ。
ある会社で15人募集したところ、なんとその数の10倍が応募に殺到したという。
その中から、人選できるとは垂涎もののありがたさだ。
ちなみに、当社の新卒募集は2名募集で、応募が数名というなんとも寂しい人選となっている。
働きたい人がたくさんいれば、優秀な人間どうしの競争原理が働く。
大リーグや相撲の世界同様、強いものしか活躍できない。
オリンピックも同様であろう。
今回、メダル数が1位となったことは、このことと偶然ではないと確信している。
いずれにせよ、日本の人口は減少していく。
隣国のアジアの協力なくして、ビジネスはありえないと強く思った次第だ。
(引用終わり http://kkb-gaku.seesaa.net/article/105661365.html)
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2010年の現状はどうか。
現在、人の採用が厳しくなっているという。
基本的に付加価値業務であれば高給、単純作業ならば低賃金の構図は日本でも変わらない。此処中国大連市においても、データ入力などの単純作業は付加価値が低いため、低賃金となり採用が困難なのだ。
さらに、入社希望の方は、賃金だけではなく、その方自身の成長やランクアップを希望しており、単なるデータ入力など単純作業の募集は集まりにくくなっているという。
 大連の現地幹部とは、この点、大いに議論し、これからはスタッフの給料も含めたランクアップのため、研修や教育を充実させ、付加価値をあげることが唯一の生き残り策になるとの結論を得た。
2.クリーニング店視察
 クリーニング業を実際石川県で営むM社長によれば、使用している機械等は古く、方法等も含めて日本の約20年前の水準だという。
 生活水準が高まれば、これからの需要は見込める。例えば、お客様の自宅まで訪問して、洋服やシャツを取りに伺うというスタイルは、今はない。しかしながら、富裕層向けのサービスとしては十分流行る余地はあるだろう。
 新興国にとって、至れり尽くせりのサービスは、無限の需要を感じるし、何よりも希望や夢がある。
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3.割り箸工場視察
 今回の視察で最も驚いたことの一つは、割り箸販売を営むA社長の中国語の堪能さであった。現地の方と互角に商談している姿をみて、柔和な中にも経営者の凄みを実感する。
 割り箸は簡単な設備で作れるため、生産過多となる。
A社長が提携しているこの工場でも、現在の在庫は2億膳!
生産量は年間で12.5億膳というから驚きだ。
日本人が使う割り箸は年間で200億膳であるから、この工場が相当な規模であることがわかる。
この工場だけでも日本の使用量の6%ほど供給していることとなる。
工場の経営者によれば、中国一だという。
儲かっていますかとの問いに、工場の経営者はA社長をチラッと見て破顔一笑「今は儲かっていない」と。
対ドル元高で為替の影響を受け、人件費が昨年対比で20%増加しているとのことで、以前は儲かっていたようだ。
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4.趙亜平先生との再会
 趙先生とは、2008年8月27日(水)以来約2年ぶりの再会であった。
先生は、大連市副市長、大連大学学長を歴任した大人物。
常に柔和な態度からは、知性と品格が漂う。
 10年以上にわたる大連と金沢の友好活動は、先生とA社のK会長の友情から始まった。
 二人の友情から始まるこの物語は、たくさんの人に共感を得て、多方面の活動に繋がっている。
 「中国の格差は是か非か」という質問に、趙先生はこう答えた。
現在、格差の構造には2つある。
都市VS地方
会社員VS農民
地理的状況から見ても資源は偏在しており、格差はなくならない。
現状、1人当たりの年間GDPでみると、格差$10,000VS$1,000と約10倍となっている。
問題は資源をどう分配するかだ。
鄧小平の「先富論」は、「一部の人、一部の地域が先に豊かになることによって、最終的に共に豊かになる」ことを目指しており、格差をこう捉える。
条件を備えている一部の地区が先に発展し、他の一部の地区の発展がやや遅く、先に発展した地区が後から発展する地区の発展を助けて、最後にはともに豊かになる。
例えば、先に豊かになった地区が利潤と税金を多く納めて貧困地区の発展を支持する沿海と内陸部の貧富の格差という問題を一歩一歩スムーズに解決できるとした。
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(最後に)
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今回の大連視察で、随分たくさんの方にご配慮いただきました。
あらためて感謝申し上げます。
今回の視察で、アジアで活躍している姿を拝見し、アジアの中の日本を感じました。
そして何よりもSTLOWS会員の絆が深まったと実感しております。
マイナス成長の日本の中で、どのように事業発展していくか。
常に試行錯誤しているなかで、経営者の仲間は心強い。
今後とも、学習を継続していきましょう!!
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プロフィール

名前
木村 岳二(Kimura Gakuji)
年齢
1970年生まれ A型
職業
会計事務所経営
メールアドレス
g-kimura@kkb-jp.com

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