2011/01/17
目的と目標の混同が起きるとき、会社の業績は下降する
ナポレオンは、戦略と戦術につき、かの有名な言葉を残しています。
「戦術・戦闘のミスは戦略でカバーできるが、戦略のミスは戦術・戦闘ではカバーできない。」
この言葉を大胆に置き換えるならば、目的と目標を混同してはいけないということと考えます。
目的とは『的』であり、『戦略』になり、目標とは『的』に導くための『標』であり、『戦術』になります。
2010年度ポーター賞の講演の中で、マイケル・E・ポーター氏は、会社の戦略、目的につきこう語っています。
ポーター教授の言葉を自社の戦略で参考にして頂きたいと思います。
以下、引用。
「これまで、企業は経済的成果を追及するあまり、社会的な役割を見落としてきた。
その結果、ビジネスは以前に比べ社会で尊敬されなくなってしまっている。
ビジネスとは本来、社会的ニーズの充足と経済的価値の創出を両立するものでなければならない。
これからの企業は、企業の社会的責任(CSR)よりも、価値の共有を創造するという意味のCSV(Creating Shared Value)に重点を置くべきだと考える。」
目的=目標+意義
目標とは、目指すべき方向や状態をいいます。
目的とは、目標に意義や大義を付け加えたものです。
有名なビジネス訓話「三人のレンガ積み」の話は、目的と目標の混同につき、大いなる例示となります。
中世の建築現場で三人の男がレンガを積んでいました。
そこを通りかかった人が、男たちに「何をしているのか?」とたずねた。
一人目の男は目的を持っていないため、「レンガを積んでいる」と答えた。
二人目の男は生活費を稼ぐのが目的であるため、「食うために働いている」と言った。
三番目の男は、歴史の1ページに自分の名前が刻まれることに喜びを感じ、世の役に立つことが目的となっているため、明るく顔を上げてこう答えた。
「後世に残る町の大聖堂を造っている!」
三人の男たちにとって「目標」は共通である一方、「目的」は三人ともばらばらです。
個人ではなく、会社という組織で何のために何を実現したいのか。
より社会的な使命や目的を実現するために、数値目標を掲げて全員で仕事をするとき、会社の業績は長期的に発展していくものと信じています。
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