2017/07/09
京都大学上級経営会計専門家(EMBA)プログラム 2017
今年の初旬から、京都大学上級経営会計専門家(EMBA)プログラムの企画に携わり、今回、受講生として、プログラムを受講することとなりました。
2016年10月、日本エムアンドエーセンター主催の日本エムアンドエー協会にて、京都大学大学院の澤邉先生の講演を拝聴する機会がありました。今後の会計業界のブルーオーシャンは、医学の世界に大いなるヒントがあるとご教示頂き、このプログラムの参加を決意した次第です。
お客様の中にはドクターもいらっしゃり、ドクターとの雑談の中でも、医学の世界は、研究者・臨床家・専門知識の再生産機能がしっかり働いているとの認識がありました。事実、医学(理論)を学んだドクターが医業の現場で治療・研究を行い、それを学会で発表し、その学会研究でさらに発展している現状があります。医学で社会貢献をしており、人命を救うことが社会的使命となっています。また、ドクターも誇りを持って治療にあたっております。
医学の世界は、抽象(医学、理論)と具象(治療)を高速で行き来し、その交差点が学会という場所になっています。学会は、知識統合の場として、きちんと機能しています。一方、会計の世界の現状は、抽象(会計理論)と具象(会計実務)の行き来はなく、互いに独立しているように感じます。会計実務は、金融庁主管の公認会計士及び財務省(国税庁)主管の税理士など、省庁別の縦割り行政となっています。また、私自身、学会の現状は知らず、月に一回届く会計専門誌(例えば、税経通信など)を時間があれば読む程度です。
今回のプログラム参加を機に、会計業界の更なる発展のため、医学の世界で頻繁に行われている学会という場、機会を創出できればと思います。最新の理論を学んだ会計人、EMBAプログラムを受講した「経営会計士」が主体となり、企業経営の現場で実践を行い、コンサルティングによる成果を学会の場で発表する。学会を理論と実務が行き来する連結環、知識統合の場所にする。会計と経営の成果には大いなる因果関係があるということを学会で証明し、実務に還元していく。そして、「経営会計士」を社会に周知できればと思います。
国家資格を主とする行政の世界と最新理論を研究する学会の世界の連結環(学会)にて、コンサルティング成果を共有し、中小企業経営者に周知できれば、そこに経営会計士の世界が出現します。現在、国家資格を目指す若者の減少(若者自体が減少)、また業界を目指す者の減少(採用難)により、会計事務所の長期的発展が危ぶまれています。国家資格でもコンサルタントでもない「経営会計士」が会計業界の希望となるよう、努力していきます。
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