2019/05/26
「流転の海」完読 2019
ゴールデンウィーク中から、宮本輝氏の「流転の海」を読んでおりました。
宮本輝氏の父であろう主人公の生き様と言葉に圧倒される。
「自分の人生に、目指すべき大きな目的を持っていない人間の自尊心を傷つけてはならないのだ。釈迦が、提婆達多を人前で恥をかかせ、とりわけ強固な自尊心をあえて傷つけたのは、大目的に向かうために、提婆達多という人間を鍛えなければならなかったからだ。・・・」(宮本輝氏「流転の海 第四部 天の夜曲」より抜粋)
主人公が何度か相手の自尊心を傷つけたとき、相手は必要以上に逆恨みをし、主人公の周囲を混乱させた。相手に自身以上の目的がないとわかった場合、絶対にその相手の自尊心を傷つけてはならない。
自身が目指そうとしているものが大きければ大きいほど、自分の自尊心などは取るに足らないものになっていく。
この明確な規範。私の五臓六腑に染み渡りました。
流転の海は全てで9巻。過日、完読して再読中。
完読した時は放心状態。読後いわゆる「流転の海ロス」であったものの、今、再読しながら流転の意味を考えております。
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