2020/01/05
2020年 新年ご挨拶
新年明けましておめでとうございます。
今年も宜しくお願い致します。
年末年始で再読した本を紹介したいと思います。
1.「熔ける~大王製紙前会長井川意高の懺悔録」 井川意高
人間の業の客観視が爽やかな読後感を与えてくれた。オスカーワイルドの言葉を想起する。「人間を善と悪で区分けするのは愚かなことだ。人間は魅力的か退屈かのどちらかである。」
2.「30歳で400億円の負債を抱えた僕が、もう一度、起業を決意した理由」 杉本宏之
お金の執着から諦念までの過程が興味深い。1万円の印刷原価が23円。造幣局から外に出た瞬間、1万円に化ける。信用創造の螺旋階段を踏み外し破滅した男の言葉は重い。再起後、経営の数値に滅法強くなったのは全ての経営者の参考になるであろう。失敗が人間としての器を大きくする。本当に蛇足だが、深田恭子とグランクラスデートした行動力も納得。
3.「終わった人」 内館牧子
北陸税理士会中小企業支援対策部主催で富山県弁護士会との事業承継支援交流会時にて、ある富山県の弁護士の方から推薦を頂いた本書。事業承継の渡す側に焦点を当てた光と影。
国連が65歳以上を「高齢者」と定めたのは、半世紀以上も前だという。当時、日本人の平均寿命は65歳。今、90代まで元気な方も大勢いる。60代で定年を迎えた主人公はビジネスで成仏できない。職場と墓場の間での挑戦と失敗。帰郷の時の心境が心に沁みる。「ふるさとの山に向ひて 言ふことなし ふるさとの山はありがたきかな」(石川啄木 「一握の砂」)
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