2021/02/07
ダイ ウイズ ゼロ
私の高校(中学)校の同級生に英日翻訳者がいます。
その同級生、児島修(こじま・おさむ)氏が訳した本「Die With Zero ゼロで死ね」(ダイヤモンド社、2020年9月29日発行)を完読致しました。
死ぬまでに使い切ることのないお金を貯めることばかりに労力を注いでいる現状につき、ずいぶんと考えさせられました。
昔、聴いた言葉に「イタリア人は死ぬとき、お金が一番少ない。一方、日本人は死ぬとき、お金が一番多い。」
相続税の申告をお請けしていますので、お金の実態はわかります。
あの不幸な太平洋戦争の窮乏生活をご経験されている方は、本当に質素な生活をしております。
したがって、お金の残高の最高値が死ぬときになるのはよくわかります。
今回、紹介している本の中で、冒頭、アリとキリギリスの寓話が登場します。
本書は、貯蓄するアリと散在するキリギリスの折衷案を模索しています。
懸命に貯めたお金を死ぬ直前の数週間の延命に使うならば、健康なうちに有益な経験をしようという主張。
あるいは、加齢が進むと、活動量も減り、高齢者ほどお金を使わないという現状や長寿リスクを勘案した保険の活用。
読み進めていくと、「人生を無駄にする」不安よりも「お金が足りなくなる」不安が大きいことがわかります。
先ずは、「ファイナル・カウントダウン」というアプリをスマホにインストールし、還暦(60歳)までの日数を数えました。
あと3,370日ほど。
貴重な50代の日数が3,370日ほど。
命(時間・お金・健康)の使い方を再考せねばと思います。
昔、父から学生の時に言われた言葉を思い出します。
「つまらん貯蓄はするな。有益なことで使い切れ」と。
本質を突いた言葉であったと想起しております。
時間、金、健康。
同級生の訳した本を完読したことで、この3要素を勘案して、お金の使い方をリセットする契機となりました。
同感です。
お金は目的達成のための手段であって、お金そのものが目的では無いですね。
目的達成のための強い信念が必要な資金獲得の原動力になることでしょう。
お金は社会からの預り金で、そのお金で付加価値を創ることが求められています。
経営者は拡大再生産が使命です。