2021/03/14
お金の味 2021
金森重樹氏の「お金の味」を完読いたしました。
フリーター時代の著者が先物取引で詐欺に遭い、多額の債務を負うものの見事生還する実話です。
「商品先物の会社は、お客さんの損失と悲しみを糧として成長していく存在」と気づき、自ら主体的に動き、人生を変えていきます。
1.人生の問題は、自分で解決しなければ誰も解決してくれない
2.現象に対応するだけでは、問題の根本的な解決は永久にできない
3.偶然に左右されるやり方ではこの問題は決して解決しない
著者の師匠は借金。
そして、その師に恩を返す。
少額の借金で悩んでいる人は覇気がない。しかし、多額の借金がある人は、返すどころか、もうひと山当てる気満々でギラついている人が多いという。
消費者金融での借金と異なり、巨額の借金がある人はビジネスで作った借金。
まさに「谷深ければ、山高し」の世界がある。
著者は断言しております。
会計の知識の習得は、失敗しないための避けては通れない事柄だと身をもって感じたと。
何年も彷徨い歩いて見つからなかった手掛かりは、街には落ちていなくて、探し歩かなくても誰にでも手に入る簿記の本の中にそっと挟まっていたと。
この文章は、会計人にとっては、有難い。
著者の「お金」についての考えについて。
お金を取り巻く人間模様の中で、人は悩み、苦しみ、追い詰められ、人と争い、憎み、騙し、嘆きます。
と語ったうえで、名言が出ます。
私は、この著者の凄い経験から出た起死回生の発想の転換がここだと思います。
「借金の山の中で、さらに借金を重ねることで借金を減らしていくという回答など、本能とはまるっきり反対の方向に動かなければならない最たる例です。
本能に従っていたならば返済のためにお金を節約しようとするのが普通だと思います。」
「今の5千万円と僕が10億円を動かすようになったときの5千万円では5千万円の意味合いが違う」ということに気づいたのです。
この「毒を以て毒を制す」という発想。
そして、本能に逆らうという決断。
非常に参考になりました。
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