2023/03/12
デジタル時代の経営理念の浸透 2023
はじめに~オンラインと唱和の相性
経営理念の浸透方法として、全員での唱和があるだろう。
当グループでは、朝礼時に唱和してたが、今やオンライン。
各自、それぞれ自席での会議参加で唱和は難しい。
オンラインと唱和の相性は頗る良くない。
しかしながら、オンライン会議はとても便利である。
経営理念の唱和機会設定~経済は、人類を幸せに出来るのか?
そこで、月1回の経営会議前に全員で集合することとした。
昔の朝礼の形態を月に1回再現する。
経営理念の大事さを唱和を通じて確認する。
ダニエル・コーエン氏の「経済は、人類を幸せに出来るのか?」(2015年、作品社)を改めて読むと、理念の大切さが理解できる。
血液の在庫量を増やそうとした輸血センターの所長は、ある日、献血者に報奨金を出すことにした。
その結果、所長の予想に反して、献血者の人数が減ったのである。理由は、善意から献血に協力していたからだ。
献血が他者を思いやる行為からお金を稼ぐ行為に変質したのだ。
道徳心をもつ人物は席を外し、代わりにホモ・エコノミクス(経済的合理性のみに基づいて個人主義的に行動する人間像)がやって来たのである。それぞれ別の役割をもつ彼ら2人が、同じ席に着くことはできないのだ。
チャールズ・ダーウィンは、人間を含む多くの動物種は「同一種の個体同士で協力し合うことがある」と主張し、これを「社交性および共感力」と名付けた。
経営理念の本質は、より高次な理念を社員全員で実現していくことである。
おわりに~
ダーウィンのかの有名な「唯一生き残ることができるのは、変化できる者である」という言葉を引用するまでもなく、オンライン時代の経営理念の浸透方法は、かつてとは当然に違うはずである。
月1回の唱和機会を設けたところで、経営理念の浸透などは出来ないかもしれない。
ただ、より高次の理念を実現していくという気概を持たなければ、ホモ・エコノミクスに成り下がり、長期利益の実現は出来ないと自戒しております。
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