2015/12/15
「アフター新幹線」<310>
12月2日に山野之義金沢市長と金沢経済同友会の意見交換会が開催された。
今年は3月14日に北陸新幹線が開業して金沢は盆と正月が一度に来たような賑やかさになった。
4月~10月の前年比は。
新幹線利用者数は在来線特急と比較して3倍。
兼六園入園者数は199万人で5割増。
石川県シティホテル稼働率は全国6位(8月)。
ビジネスホテルは大阪市に次いで全国2位(8月)。
逆に、小松ー羽田便は97万人から63万人と35%減少。
宮城県・福島県から石川県へ47千人が移住。(11月5日、谷本石川県知事との意見交換会で)
金沢市でのMICE(会議、研修、招待旅行、国際会議、学術会議、展示会)は、今年31イベントあり来年はすでに35のイベントが予定されている。
石川県の発表では、1000人以上のイベントは58件で30万人にもなる。
昨年は26件15万人だから倍増だ。
日本初のユネスコ創造都市世界会議、全国経済同友会セミナー、青年会議所世界大会などが目白押しに開催された。
11月15日には初の「金沢マラソン」が開催され1万2千人のランナーが市内を駆け巡り沿道で20万人が応援した。
ランナーの62%が北陸三県以外からだったのにはビックリだ。
一方で、負の側面が指摘されている。
押し寄せる観光客によって、街が荒れてきたとの声が聞こえるようになった。
今こそ、金沢市は「観光都市」ではなく、「歴史文化都市」であることを再認識すべきだと金沢経済同友会が石川県知事と金沢市長に求めた。
山野市長は石川県は4月に施行した「いしかわ文化振興条例」を補完し、金沢らしい伝統の技や芸の伝承者育成に軸足を置いた市独自の文化振興条例の制定を検討する考えを示した。
ホテル不足のため2020年までに、金沢市が所有する金沢駅西の7,500坪の土地に富裕層向けのホテルを建築する計画である。
金沢経済同友会は北陸新幹線の金沢開業が実現した今、視線をもう少し先に伸ばした東京オリパラが開かれる2020年に向けて、全国各地で展開される予定の文化プログラムを「2020文化プログラム」を金沢創造会議の総合テーマとして論議を深め、提言し実践に結びつけていくこととしている。
石川県と金沢市の新年度の事業には次のものが。
1、鼠多門の復元開始。
2、石川県立図書館を小立野の金大工学部跡に移転
3、卯辰山工芸工房の拡充。
4、故谷口吉郎氏生家に建築文化拠点施設として整備。
5、「空き家条例」の制定と施策の推進。
6、城北市民運動公園施設の整備(来年夏完成)…水泳、ウェイトリフティング、トランポリン。
金沢市の人口減少は、加速度的に進み、2060年には12万人減(26%減)の35万人と見通されている。
これを、出生率の向上と転出の抑制で43万人に押さえることを目標にしている。
いまのところ、北陸新幹線の開業による支店撤退などのストロー現象は表面化していないが、新たな課題が生まれている。
12月5日に、一年前に開設された銀座の「いしかわ百万石物語江戸本店」と「銀座の金沢」へ行って来たが、銀座には数多くの自治体アンテナショップが密集しており、行政も厳しい競争にさらされていることを実感した。
写真…「銀座の金沢」パンフレット
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