2016/05/05
「井山裕太囲碁棋士が全七冠同時制覇」<324>
人工知能「アルファ碁」が、3月9日~15日に韓国の世界トッププロ棋士「イ・セドル氏」と相まみえた五番勝負は、イ・セドル氏が第四局で一矢を報いたものの、4勝1敗でアルファ碁の圧勝に終わった。
アルファ碁は2015年10月の時点で、3000万局の自己対局をこなしたという。
地球上にプロ棋士が1000人いるとして、毎日対局したとしても一年当たり約20万局だから、その150年分にあたる。
今後は、コンピュータとプロ棋士の組合わせが生み出すイノベーションへと焦点が移るだろう。
この深層学習(ディープ・ラーニング)はビジネスにも応用される方向だ。
その1か月後の4月20日、今度は日本の囲碁界で井山裕太棋士(26歳)が、前人未到の七冠独占を3年越しに決めた。
名人、棋聖、本因坊、王座、天元、碁聖の6冠に加え、最後に残った十段のタイトル奪取に成功。
1976年に七大タイトル戦がそろった日本プロ囲碁界の歴史に金字塔を打ち立てた。
かって、将棋では1996年に羽生善治名人が将棋界の七冠独占を達成している。
何よりも脳の前頭葉の集中力とタイトル戦を次々とこなしていくスタミナは驚異的だ。
囲碁は盤面が広い。
「部分」を超えた「全体」を見るのが大切で難しい。
ある部分だけとれば最良の手が、全体から見るとそうとは限らない。
そこを見抜く力がなければ、トップに立ち続けることは出来ない。
私も囲碁の魅力にとりつかれた一人で、囲碁人口が世界で70か国4000万人、日本で300万人といわれるが、このところの人工知能や七冠独占などの話題で囲碁界はさらに関心が高まるに違いない。
写真…ツツジ(4/27しいのき迎賓館近く)
囲碁の技や経験においてのディープ・ラーニングはコンピューターにはかなわないと私も痛感しましたが、囲碁との出逢いにより、多方面にわたりディープ・ラーニングできたと感謝しています。コンピューターにはない人間の良さを囲碁教室で見出していきたいと思います。
それにしても、井山裕太七冠達成の瞬間、お母様の気持ちになったように涙腺がこみあげてきました。本当に素晴らしいです。