2016/05/25
「グラッサー博士の選択理論」<326>
3か月前に購入した標題の書籍(発行:アチーブメント出版、575ページ)に目を通した。
著者のウィリアム・グラッサー博士は1925年に米国オハイオ州生まれ、2013年に88歳で逝去された。
精神医療の新しいアプローチ「現実療法」で広く影響を与えると共に、精神科医学博士として幅広く活躍した。
公教育に関心を持ち、教育で上質の追求をする改革を試み、「クオリティ・スクール」を著した。
現在、そのクオリティ・スクールの取り組みは全米で200校を越えている。
選択理論とは…
すべての行動は自らの選択であると考える心理学。
行動を選択できるのは自分だけなので、他人に行動を直接選択させることはできません。
そのため、問題が発生した時には、相手を受け入れ、交渉することで解決します。
その結果、良好な人間関係を築くことができます。
従来の外部コントロール心理学では、人間の行動は外部からの刺激に対する反応であると考えられてきました。
そのため、問題が発生したときには、怒る、罰を与えるなどの刺激を与えることで、相手を思い通り動かして解決しようとします。
しかし、その結果、人間関係は破壊されてしまいます。
博士いわく、5つの基本的欲求とは、身体的な欲求である生存の欲求と、心理的な欲求である愛・所属の欲求、力の欲求、自由の欲求、楽しみの欲求の私たち誰もが遺伝的にもっている欲求だと説いている。
5つの基本的欲求は誰もが持つものですが、人によってその強弱と満たし方が異なります。
力の欲求を例にすると、力の欲求の強い人は「絶対に一番でなければ嫌だ」「絶対に負けたくない」などと考えますが、力の欲求の弱い人はそうではありません。
満たし方についても、勉強を頑張り、テストで100点を取ることで欲求を満たす人もいれば、スポーツで活躍し、周囲の賞賛を得ることで力の欲求を満たす人もいます。
この5つの基本的欲求の中で、一番満たすのが困難な欲求は愛・所属の欲求です。
というのは、これだけが唯一、一人で満たすことが出来ないからです。
力の欲求もしばしば満たすことが困難です。
力の欲求を満たすために外的コントロールを使ってしまい人間関係を破壊してしまうから。
目 次
1、新しい生き方
2、人を動かすもの
3、心のアルバム
4、行動のコントロールの仕方
5、人との関わり方
6、葛藤の解決の仕方
7、創造システムの二面性
8、幸せな結婚生活
9、信頼される生き方
10、最高の学校
11、職場での選択理論
12、地域社会への応用
13、自由への道
私が思うに…
かけがえのない人生を、行動を通して社会に貢献することにより、「忘己利他」の感覚を手に入れられればそれに越した幸せはない。
写真…行きつけのガソリンスタンドで(5/23)
この記事へのコメントを書く