2016/08/05
「(株)TKC創業50周年記念式典でのケンプ教授の基調講演」<333>
平成28年7月14日に帝国ホテルで開催された記念式典にご招待いただき出席させていただいた。
飯塚真玄(株)TKC取締役会長、角一幸(株)代表取締役社長、飯原一雄TKC全国会会長にお祝いのごあいさつをする。
基調講演はドイツのDATEF理事会社長を3月に退任し6月にドイツ産業連盟(BDC)会長(日本で言えば経団連会長)に就任したディーター・ケンプ教授の「ドイツの2025年における税理士業務」だった。
副題は「税理士業務における今後の変化と挑戦的課題への一考察~ドイツ的視点から」。
ケンプ氏は「インダストリー4.0」を掲げ、工業生産のデジタル化・ネットワーク化を重視する姿勢を打ち出している。
すなわち、産業革命は、第一次の木綿工業を中心とした軽工業、第二次の電気・石油による重工業、第三次のIT、そして第四次産業革命はデジタルとネットワークの時代だと強調された。
1996年~2016年の間、ドイツ会計計算センター「DATEV」の社長に就任している氏は、その経験を経て次世代を語る。
ドイツ連邦議会は「電子行政促進のための法律」を定め、「デジタル行政2020」が実施され始めている。
その影響がドイツ税理士業界に現れつつある。
1、「事前照会型所得税申告書」の導入。
(ビッグデータを活用したICTによる政府主導の税務申告)
2、電子決算書。
3、リスクを念頭に置いた租税査定と税務調査。
4、数学・統計学的サンプリングおよび分析手続きを利用したデジタル税務調査。
デジタル化は文明の夜明けから今までに蓄積した情報を今や2日間で生み出している。
すべての企業はデジタル化しているが、8割の企業がまだそれを認識していない。
ビッグデータとAI(人工知能)が新しい時代革命を呼び起こしている。
インターネットは多くの手工業の姿を変えるに留まらない。
弁護士や税理士などの純粋なサービス業もデジタル化が手強い競争相手となってきているとのこと。
税理士の生き残りの3条件とは。
1、常に法規や技術の発展・変化に適合して業務を遂行し、高度な品質への要求に応えること。
2、たゆまぬ研修・業務の品質管理・健全で効率的な事務所経営。
3、最新の技術を利用法する。
ビル・ゲイツは1994年に「銀行業務は必要だが、銀行はいらない」と語った。
会計や税務の分野におけるドイツの動向が注目される。
写真…日税連総会会場の帝国ホテルにて(7/28)。
50周年の大半 関わりあるのかな?