2017/01/15
「トランプ次期大統領の過激発言」<349>
トランプ次期大統領は11日、ニューヨークのトランプタワーで大統領選勝利後2か月、初めての記者会見に臨み、大統領選でロシアのサイバー攻撃があったことを認めたほか、「最も多くの雇用を生み出す大統領になる」と強調する一方で、「利益相反」の指摘については自身のビジネスからすべて手を引くことで解消されると語った。
また、「日本などとの貿易でアメリカは多額の損失を被っている。海外に拠点を移した企業に高い関税をかける」などと述べ、貿易の不均衡を是正してアメリカの利益を最優先に確保していく姿勢を強調した。
トランプ氏は、メキシコとの国境沿いに築くとした壁について、「メキシコに費用を負担するよう交渉するが、その結果を待たずに、すぐに壁の建設を始める」と語る。
トランプ氏は、2016年11月8日実施の選挙でヒラリー・クリントン氏に得票数で約200万票下回っていたにも関わらず選挙人獲得数で上回って勝利したあと、連日、ツイッターで発信を続け、今年に入っても、北朝鮮をめぐって中国を厳しく批判したほか、トヨタ自動車がメキシコに建設する工場についても批判した。
オバマ政権下のケリー国務長官は6日、重要政策を詳しく説明もなく一方的に伝える手法は混乱を招くとして懸念を示した。
オバマ政権は医療保険制度改革(オバマケア)により、約2000万人の無保険者に救いの手を差しのべた。
保険料の上昇への中間層の不満がトランプ政権を促した面があるが、雇用不安に苦しむ人々の安全網の強化になったことは間違いない。
しかし、トランプ氏は「オバマケアは最悪だ」と語り、13日には上院で見直しが決議された。
医療保険制度を政権が交替したからといつて変えてしまって良いのですかね。
大統領選挙ではグローバル化に対抗して雇用拡大でアメリカンファーストを叫び共感を得たようだ。
TPPもグローバル化よりアメリカ保護主義で覆すという。
責任ある立場に居る人の発言は重く、影響力がある。
日本では過激発言で数多くの方々が引責辞任するが、アメリカはお構い無しなのだろうか。
トランプ氏は20日の大統領就任式で船出をするが、アメリカ全土を二分した選挙のしこりをいかに修復できるか、とくにオバマ氏・クリントン氏側の民主党を相手に議会運営は大丈夫なのか。
自陣の共和党にも批判的な議員がいると聞く。
大統領は強大な権限を有するということだが、国際協調路線から保護主義政策に移行したときの先行きが懸念される。
日本経済新聞のトランプ氏会見に関するキーワードを見ると。
・貿易赤字に中国や日本を名指し強い不満。
・「内向き」懸念再燃。
・醜聞・罵倒 異様な会見
・対ロシア融和路線に暗雲。
・「黙れ。CNNはニセニュース」と。
・「利益相反」批判に対応、経営は親族、くすぶる懸念。
・閣僚にも利益相反問題、経済・金融界から登用。
・メディア批判、不寛容さあらわに。
同新聞の社説では…
・言いたいことをまくし立てるだけならば、ツイッターと同じだ。
・ツイッターによる一方的な情報発信は世論操作には好都合かもしれないが、不愉快な質問にもきちんと答えるのが、超大国の指導者の責務である。
・トランプ氏は緊張と不機嫌が混在した表情。
・かんに障ったら、その後は感情の赴くままに罵倒雑言を浴びせるのは選挙戦からのトランプ氏の流儀。
トランプ次期大統領には、むき出しの自然人格ではなく、超大国大統領のあるべき品格を望むばかりである。
写真…シクラメン(1/15、自宅)
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