2019/05/25
「仮想通貨の利益も課税」<434>
平成31年4月25日、平成最後の北國総研ビジネス懇話会の例会で「仮想通貨と税務」と題した金沢学院大学経営情報学部・土屋雅一教授の講演を聴講した。
土屋教授は千葉県出身で昭和57年に国税庁に入庁してから国税当局に30年勤務されていた。
昨年9月から現職。
昨年5月期に無登録で仮想通貨の換金を代行していた東京の業者が、2億円の所得隠しを国税庁に指摘された事例を紹介して、今後は無申告者に対する調査が増えると話した。
ビットコインは法的位置付けに関わらず、取引によって得られた利益は所得税の雑所得対象になると指摘した。
インターネット上の仮想通貨であるビットコインは、2013年からマスメディアなどで本格的に取り上げられるようになってきた。
2016年6月にビットコインなどの仮想通貨に係る改正資金決済法が公布され、2017年4月に施行された。
2017年9月にビットコインを使用することにより利益が生じた場合の所得税の課税関係について国税庁のタックスアンサーに掲載された。
2018年3月に企業会計基準委員会から仮想通貨に係る会計上の取り扱いに関する指針が公表された。
1単位のビットコインは連続するデジタル署名されたデータのチェーンとして定義される。
数百個程度の取引の記録をブロックという単位でまとめられる。
新しいブロックを発見したユーザーには報酬として新たなビットコインが与えられる。
その採掘に成功してビットコインを報酬として得ることを採掘と言い、採掘に参加するユーザーを採掘者という。
新たに採掘されるビットコインの数量は、210,000ブロックが採掘される毎に半減されるシステムとなっており、無限等比級数を構成し、2140年に限度額(2100万BTC)に達することになっており、現在の流通量は約1700万BTCであるとのこと
。
(難解ですね)
2017年度税制改正において消費税は非課税とされた。
講演の最後に、司会者より質問の機会を頂けたので、私から、「ビットコインを購入する目的は何なんでしょうか」と質問。
先生からの回答は、「法定通貨はインフレに弱い、ビットコインはインフレに強いから貯金に適しているからでないか」とのこと。
ビットコインは取得に時間がかかるから日々の取引には適さない。
私が考えるに、仮想通貨は幾何学的で限定的だから、マーケットも法定通貨より狭いから、ユーザーから見ると時価は堅実に上昇すると考えるのかも知れない。
通貨も国境を越えて、仮想の世界に存在する時代になったのである。
(追 記)
土屋教授に聞いた個人的な話。
金沢学院大学大学院で税理士試験免除の恩典のある、税法コースには9名が在籍し、会計コースはゼロだそうだ。
写真・・・ 講演記事(4/26北國新聞) 、倶利伽羅不動寺御朱印(5/1)
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