2022/01/15
「マイケル・サンデルの白熱教室」<529>
ハーバード大学のマイケル・サンデル教授が学生に問題提起する1月3日のBS番組を見た。
最近、中国が社会問題や大学教育に対し物議をかもす政策が次々に発令されている。
国家は社会や個人の生活にどれだけ制限できるのかとの問いかけ。
中国の復旦大学、日本の東京大学と慶應義塾大学、アメリカハーバード大学の学生に聞いている。
1、ゲームの制限
若者がコンピュータゲームやインターネットの中毒になっている。
親の共通の悩みである。
2019年にWHOはゲーム障害を精神疾患として注意を呼びかけた。
中国では6億人が熱中し、ゲームは5兆円産業に達している。
10人に1人はゲーム依存状態にある。
2021年8月、中国政府は国家新聞出版署から通達を出し、未成年者は金土日祝日の夜8時から9時までの1時間だけとし、違反したらゲーム会社が罰せられる。
政府の発表を受けてゲーム会社の株価は急落した。
eスポーツ業界も大きなダメージを受けている。
中国の養成学校では8割の生徒がやめた。
10万人のプロ選手は困り、夢を奪うと反対している。
学生の意見。
ゲーム規制に賛成。
中国・・6人中6人
アメリカ・・5人中0人
日本・・6人中1人
ゲーム規制に賛成の理由。
中国・・子供の中毒を防ぐ。仮想現実ではなくリアルな社会に対応。親子の対話する時間に。
日本・・ゲームで育った。しかし熱中すると学生生活がおろそかになる。
反対の理由。
アメリカ・・ゲーム規制を政府がするのは疑問。
親がすべき。
守らないときはゲーム会社ではなく子供を叱るべき。
中国・・子供の教育は政府と親が責任を補い合っている。親に責任をとらせるより親とゲーム会社が協力すべき。
日本・・子供は親が一番分かっている。ゲームで子供が育つ。映画や読書よりゲームは自分が参加できる。
アメリカ・・ゲームは勉強のご褒美に。
アルコールやタバコは未成年者を禁止している。
教授・・アルコールは未成年者に販売したら販売会社が罰せられるがゲームでは。
中国・・メリットとデメリットある。
しかしゲームの課金システムがありお金を奪う。
ゲームは時間を奪っている。
2、宿題と塾の制限
2020年の出生率
中国 1.3
日本 1.34
少子化が教育費の負担。
中国都市部では子供1人が大学卒業までに3,000万円かかる。
大半が塾の費用。
親は就職に有利になるよう有名大学に進学させる。
受験戦争は生まれたときに始まる。
中国は2021年9月に小中学生の宿題と塾を半減させる双減政策を発表した。
就寝時間を守らせ余った時間は音楽やスポーツに。
三万社あった塾は非営利会社にし政府の監督下に置かれた。
授業時間と受講料も規制された。
塾講師はリストラ。
親は大反対。
中国では上に政策あれば下に対策ありで闇営業の塾が発生している。
宿題の制限に反対
中国・・0人
アメリカ・・1人
日本・・6人
日本・・自己責任。個人の選択を制限。
中国・・宿題に時間とられ過ぎた。未来の子供にそうしたくない。
アメリカ・・宿題より大切なことを。自己責任で。
日本・・自分の人生の選択に必要かどうかで決める。
大学入試の学力重視に問題。
営利目的の塾の禁止
賛成。
中国・・3人
アメリカ・・2人
日本・・1人
日本・・急進的な政策は混乱。
中国・・教育に道徳が不足している。
教授・・大学入試に問題ないか。
アメリカ・・お金持ちが高い教育を受けられる。
若者たちは受験や出世競争のプレッシャーにさらされている。
学歴社会が問題。
日本・・スポーツでも名声をとるため競争するから同じ。
中国・・大学の定員少ないのが原因。
今まで一人っ子政策だったからこうなった。
中国の「寝そべり族」の歌が政府から指導うける。
労働の尊厳はどうなる。
「社会への義務」と「個人の自由」どちらが大事?
コロナのパンデミックでは個人の自由は制限。
貢献したい社会にすることが大切。
3、中国政府、貧富の格差是正のため「共同富裕」政策が出され巨額寄付企業が続出。
国民の人格や道徳を育むことも政府の役割なのか?
欧米メディアは中国に対して偏見を持っていないか?
中国・・中国は権利と義務のバランスをとっている。
あなたは自国の政府を信用できるか?
アメリカ・・権力の濫用がある。批判することも改善に繋がる。
中国・・14億人を治めるのは容易ではない。
教授のまとめ・・権力と義務のバランスをとるのは容易ではない。
議論し共通点を見出して欲しい。
国の政策について、学生の意見が交わされが、公益・共益・私益のバランスの難しさが浮き彫りになり考えさせられた。
写真・・・石川県庁19階展望ロビーから雪の金沢駅方面を望む。人形は石川県観光PRマスコットキャラクターの「ひゃくまんさん」。
左手、ニトリの左隣に当社三階が見える。(元旦)
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