2022/02/05
「危機に直面する中小企業」<531>
2月2日、NHKの「視点・論点」を見た。
解説は東京商工リサーチ情報本部長の友田信男氏。
論旨を列挙する。
・日本の企業約358万社のうち99.7%の357万社が中小企業である。
・労働者の70%(3,220万人)は中小企業。
・コロナ禍で飲食業、旅館業、ブライダル業は深刻。
・持続化給付金、雇用調整助成金やゼロゼロ融資(無利子・無担保)により2021年の企業倒産は6,030件と57年ぶりの歴史的な低水準だが、多くの企業が過剰債務に陥っている。
・日本経済は10年置きに100年に1度の未曾有な経済危機に襲われている。
1990年代 バブル崩壊
2000年代 アジア発国際金融危機
2008年~2009年 リーマンショック
2011年 東日本大震災
2020年 新型コロナ感染症
・2021年3月決算
減収企業率 55.8%
営業利益率 3.53%
4社に1社は赤字、借入金は月商の8.2倍。
・中小企業は生産性向上の遅れと事業承継問題を構造的に抱えている。
・経営者の平均年齢は2020年で62.49歳。
休廃業した経営者年齢は平均71歳。
・2021年で後継者が居ない倒産件数は381件で過去最高。
廃業は4万4,377件で平均年間倒産の7.3倍に達する。
2022年は廃業決断する企業がさらに多くなるのでは。
・M&A(企業合併・買収)は4,280件で過去最高。
国や地方公共団体はM&Aの手数料に補助する施策が必要ではないか。
・中小企業は業種転換、デジタル化、ロボット化を図ると同時に後継者育成を。
・ABL(売掛金や在庫を担保とした融資)やファクタリング(売掛債権の買い取り)で資金繰り改善策が急務。
中小企業は売上増と収益改善を同時に解決する抜本的対策を講じて転換の契機にする必要がある。
写真・・・「新春・はせ浩を囲む会」で高市早苗・自民党政務調査会長(奈良)がオンラインで講演とトーク参加。(1/22)
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