2022/05/25
「歎異抄(たんにしょう)ってなんだろう」<542>
アマゾンで高森顕徹監修の表題本が目に付き、取り寄せて読んだ。
「やがて死ぬのに、なぜ生きるのか。」
この人生の根源的な問いに答を示したのが歎異抄だ。
約700年前、親鸞聖人の教えを唯円という弟子が書いた書。
親鸞聖人の没後に教えと異なる解釈が言いふらされたのを正すため歎異抄と名付けられた。
登場人物を見る。
・釈迦(しゃか)
今から約2600年前、インドのカピラ城主浄飯王(じょうぼんおう)の長男、シッタルタ太子。
どんなに健康、財産、地位、名誉、才能に恵まれていても、所詮、老いと病と死によって、やがて見捨てられる時が来る。
どんな幸福も続かないことを知った太子は29歳の時に難行苦行に身を投じて6年、仏という無上の悟りを開かれた。
80歳で亡くなり、釈迦の弟子は7000巻に及ぶ「一切経」を書き残す。
・親鸞聖人(しんらんしょうにん)
約850年前(1173年)平安時代の末期に京都で藤原有範・吉光御前の子として生まれる。
幼くして父母に死別し、9歳の時に青蓮院(京都)に出家。
親鸞は、すべての人がかかる「死後が暗い心の病」を生きている時に完治できる法を説く。
・蓮如上人(れんにょしょうにん)
親鸞聖人の教えを、ひたすら伝えられた室町時代の僧侶。
「南無阿弥陀仏はたった六字だが、万人を無上の幸福にする無限の力がある」と。
司馬遼太郎が「無人島に1冊の本を持っていくとしたら歎異抄だ、13世紀の文章の最大の収穫の一つは親鸞の歎異抄にちがいない」と語っている。
西田幾多郎も東京が空襲に遭った際に「一切焼け失せても歎異抄が残ればよい」と伝えている。
写真・・・「なおき会」臨時総会。(5/21)
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