2022/08/05
「税理士制度80周年」<549>
2022年7月28日に税理士制度80周年等記念式典が帝国ホテルで開催された。
私も顧問相談役・執行役員懇談会等にリアル出席する予定にしていたが、コロナウイルスの第7波が急増する中でWEB参加に切り替えた。
記念講演は東京大学名誉教授、政府税制調査会会長な中里実氏による「税理士制度と財政制度~専門的職業人としての税理士の地位」。
以下骨子のみ掲載する。
・申告納税制度には社会の政治的、経済的な成熟が必要。
納税者の手続法的保護が前提。
専門家の存在が必要。
・税理士⇒憲法の定める租税制度の運用に不可欠。
弁護士⇒司法制度、会計士⇒監査(金融商品取引法・商法)、医師⇒生命維持。
・専門職業人の権利と義務→税理士法第四章「税理士の権利及び義務」、バッジをつけることの意味。
・憲法の前提とする財政制度・租税制度を支える専門職業人という特殊性。
無償独占→弁護士法第3条との関係。
特定の業務を独占することからくる、高い倫理の保持の要請。
特に、クライアントとの関係で守秘義務が重要(税理士法第38条)。
・税理士制度の法制度的基盤。
職業上の関係。
納税者との関係→クライアントの利益。
当局との関係→税理士法第1条。
裁判所との関係→判例の形成への関与。
・税理士制度の現実的意義。
財政の根幹をなす申告納税制度に不可欠の存在。
無償独占の意義。
中小企業や個人を全国的に継続カバー。
多様なバックグラウンドを有する専門家。
・将来への展望。
取引の複雑化への対応の必要性。
取引の国際化への対応の必要性。
格差・貧困への対応
社会の分断・個人の孤立化への対応。
情報化の進展への対応。
新たな価値観への対応。
倫理とコンプライアンスの強化。
格調高いご講演だった。
1942年2月23日に税務代理士法成立から80年経過した。
私の年齢とほぼ同じである。
北陸税理士会は1956年10月5日に公益法人から税理士法に基づく特別法人への組織換えで設立された。
2022年の定期総会が66回目
となる所以である。
2006年に北陸税理士会創立50周年を記念し、韓国・中国に視察団(有志会員80名超)を派遣したことを懐かしく思い出す。
写真・・・税理士制度80周年及び第6次税理士法改正記念式典(7/28)と2006年北陸税理士会創立50周年記念誌の記念式典写真。
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