2022/12/05
「日本人の知らない中国の現実」<561>
12月1日、金沢両輪会の講演会に参加した。
表題テーマの講師は拓殖大学海外事情研究所教授・ジャーナリストの富坂聡氏。
専門分野は現代中国。
1964年、愛知県生まれ。
1980年に単身台湾に渡り、中国語を学習した後に中国留学。
北京語言学院を経て北京大学中文系に進む。
「週刊ポスト」、「週刊文春」の記者を経て2002年に独立。
以下、講演骨子を列挙する。
・11/30に死去した江沢民元国家主席(96歳)は毛沢東や登小平に続く世代の中国指導者だが、「抗日戦争記念館」を多数建設したことで知られる。
江沢民は1998年に訪日して歴史問題に言及し、日中関係にしこりを残した。
中国世論を統一するため反日感情を強めた。
江沢民自身は反日では無く、姪に日本語を習わせたり、当時の海部首相とは日本語で会話したそうだ。
・習近平主席は本年の10月、中国共産党第20回全国代表大会で憲法を修正し異例の3期目(一期5年で11年目)に入る。
その土台を築いた原因は、徹底した汚職摘発によりライバルが追放された。
また、後継者を退任させて一強体制を築いた。
・台湾は平和的手段で統一するとしているが、統一に反対する外国勢力と台湾独立勢力は叩く。
・半導体を中国へ輸出禁止にした時期があったが、
中国はその後完全に国産化している。
中国の経済は今や世界第二であるから経済制裁は逆効果になる場合がある。
・中国の不動産バブル崩壊や人口高齢化と人口減少が懸念される。
・ゼロコロナ政策で上海や北京などで大衆デモが発生している。
・中国は社会主義現代化国家の奮闘目標を目指して突き進むと大会で決定した。
・ロシアのウクライナ侵攻で中国はロシア寄りの中立という姿勢を維持している。
難しいバランスをうまく維持することで、自国の利益を追求している。
写真・・・金沢両輪会の講演会テーマ
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