2023/04/25
「医師の働き方改革」<575>
4月24日、金沢東急ホテルで日本医業経営コンサルタント協会石川県支部主催、佐藤文彦講師による「医師の働き方改革の推進に関するノウハウについて」を受講した。
以下、TKC医業経営情報誌3月号も参考にして骨子を列挙します。
・医師の働き方改革は、時間外・休日労働の上限規制が令和6年4月から施行される。
・現状、令和2年現在の病院常勤勤務医の労働時間は。
週あたり60~70時間が18.9%、70~80時間が10.4%、80時間以上8.5%となっている。
基本は週5日×8時間=40時間だから80時間だと2倍になる。
・改正医療法・労基法では、時間外労働の水準を次の通りに定めた。
具体的には医療機関の機能ごとに3つの上限が定められた。
A水準(一般労働者と同じ)…年960時間(月平均80時間)以下、月100時間未満(週25時間、日に5時間)。
B水準(医師を派遣する病院や救急医療など)…年1860時間以下、月100時間未満。
臨時。
2035年に終了目標。
C水準(研修などを行う医療機関)…年1860時間、月100時間未満。
・進捗状況
A水準の病院は宿日直の許可が必要だが進んでいない。
申請しないと、宿日直が労働時間にカウントされ、当直医の確保や大学病院等からの派遣医師の確保が非常に難しくなる。
B水準やC水準の場合は、医療機関勤務環境評価センターへの申請必要だが思わしく無い。
5年猶予されたうちの3年がコロナ禍が原因と思われるが法令は遵守しなければならない。
・改革の進め方。
1、徹底した調査で労働時間を把握しタスクシステムで負担を軽減する。
2、医師以外の人材確保にも危機感、多様な人材の確保を。
3、医師が幸せでなければ患者さんも幸せではない。
残業時間を年360時間まで削減する目標を10年単位で目指したい。
4、佐藤文彦医師が順天堂大学静岡病院糖尿病内科で取り組んだ事例。
(課題)
労働時間が長い。
毎朝、7~8時出勤し22~23時まで勤務。
(改善策)
・積極的に近隣開業医に逆紹介
・コーチングの対話を取り入れる。
前提
クライアントの存在を承認。
聴く(考え方を傾聴)
→質問する(どうなりたいのか、困っていることはないですか、何がわからないか)
→伝える(必要な情報を提示、新たな視点が)
→聴くのサイクル。
・理想的なチーム医療
多職種連携→医療事故防止、質の向上、患者満足度、病院経営、
・病院経営者・管理者がコミュニケーションスキルを学ぶこととは、まさに「リスキング」すること。
・女性医師の増加(構成率21%)も働き方改革の背景。
・リーダーシップも命令型から寄り添うサーバント型に移行。
メンバーの自律的な活動が重要。
・地域の専属産業医など、プロの産業医に病院の運営に協力してもらう。
・地域を巻き込んだ規模の大きい改革へ。
写真
1、医師の働き方改革セミナー
2、税理士浅井和成氏藍綬褒章受章祝賀会(福井)
3、アルプ懇親ゴルフコンペで矢部専属プロがご自身初のホールインワン(3/25、金沢リンクス)
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