2023/06/15
「AIの本当の脅威」<580>
6/7のNHK「時論公論」のテーマは「AIの本当の脅威~直視して対策を」だった。
言葉や画像を自動的に作り出す生成AI。
海外の研究者からは、AIは人類を滅亡させるほどのリスクがあるとの意見がある。
その要点を列挙します。
・「対話型AI」
アメリカのベンチャー企業「オープンAI」が開発した「ChatGPT」、SNSで質問や命令を入力するとインターネット上の何千億のデータから自然な言葉を出力する。
企業の中には資料要約や広告作成などに利用することで時間の節約になり優先度の高い仕事に振り向けることができると。
・「画像生成AI」
2022年8月に公開された「Stable Diffusion」。
作りたい画像を文章で入力すると複数の画像を生成してくれる。
例えば「猫の王国を浮世絵風で描いて」と入力すると画像が出てくる。
AIが生成した画像の画集やコンテストも開かれている。
政府はAIを活用する「AI戦略会議」を開きメンバーに人工知能の専門家、ネットビジネス経営者、弁護士などが構成された。
生成AIには大きな可能性があり、政府一体となって利用可能性を追求するとしている。
国内のIT企業の中には、世界のネットビジネスがグーグルやアマゾンなど巨大IT企業に独占されたという悔しさがある。
AIを駆使して巻き返しを図る強い意欲がある。
一方、世界のAIの権威ら350人以上が「Statement on AI Risk」を発表し、AIがもたらす負の発言が相次いでいる。
AIによる人類滅亡のリスクを軽減することはパンデミックや核戦争などと同様に世界的な優先課題だとの声明である。
・大量破壊兵器の開発
・権力の拡大(AIの独占)
・デマの拡散
悪意ある政党が作り、説得力で人々に信じ込ませる。
過激な考えが増え道徳観が失われる。
騙され易くなる。
AIはすぐに答えを出すので手軽に使い続け、正しいか確認しなくなり、正確さを追求するニュースなどに無関心になる。
デマに弱く混乱しやすい社会に。
・人間の衰退
AIは早く安く仕事をこなすため組織は仕事をAIに頼む。
追い出された人間は再びその産業に参入するのが困難になり、知識やスキルを獲得する動機がほとんど無くなる。
人手不足の解消どころかリストラや採用削減?
AIよる就業構造の変化は、急激・大規模に起きる可能性あり。
デマ対策は情報をうのみにせず検証する訓練を。
雇用対策は新しい産業の育成や失業者への継続的な経済支援。
AIという「道具を作る専門家」だけでは無く、幅広い識者を交えた議論が必要。
急ぐべきは技術開発や利益追求のサービスより、誰の為に何の為にAIを使うのか、どんな社会を目指すのかという根本的な議論だ。
(写真)
第67回北陸税理士会定期総会(6/16)
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