2023/08/05
「インボイス制度の円滑導入」<585>
8月3日、日本経済新聞社の社説を引用してインボイス制度の問題点を探る。
消費税の税率と税額を請求書に正確に記すインボイス制度の開始が2カ月後の2023年10月1日に迫った。
適正な納税に必要な仕組みであり、円滑な導入が望まれる。
政府は小規模事業者に根強い不安や混乱と丁寧に向き合い、周知と説明を尽くしてほしい。
インボイスは以前からの課題だったが、2019年に10%と軽減税率8%の複数税率になり、導入が必要になった。
売り手と買い手の納税分担を明確にする制度だ。
現在、売上高1000万円以下の事業者は消費税の納税を免状されている。
消費者が払った税金が免税事業者に残る「益税」の存在も指摘される。
国税庁によると、消費税を納めている約300万の「課税事業者」のうち、6月末時点で約9割がインボイスの発行事業者に登録した。
一方、インボイス発行の対象になりうる免税事業者160万程度のうち、現時点での申請は約80万と半分程度にとどまる。
登録は任意だが、免税のままでいるのも、課税事業者になるのも不安要素がある。
インボイスを発行しないと取引を敬遠させる恐れがある。
発行すれば納税義務や事務負担に加え、消費税の価格転嫁にも懸念が残る。
政府は小規模事業者の納税負担を軽減する3年間の経過措置を設けた。
インボイス導入は経理や税務で企業がデジタル化を進める好機でもある。
全国銀行協会は送金システムを電子インボイスの規格に合わせ、請求書や送金書を会計ソフト上で記録できるようにした。
インボイス制度を改革の呼び水にする発想も重要だ。
(写真)
1、日本税理士会連合会の第67回定期総会(7/27帝国ホテル)
2、4期8年をつとめ退任された神津信一会長と。
3、新たに選任された太田直樹会長と。
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