2023/11/15
「政府の経済対策の効果と課題」<595>
11月6日のNHK時論公論を中心に岸田内閣の経済対策を考える。
減税や給付を閣議決定したのに世論調査では内閣支持率が過去最低の29%にまで落ち込んでいる。
財政事情が良くないのに物価高対応と成長力強化のため総額17兆円を予算化する。
定額減税は来年6月に、給付は年内から年明けにかけて実施される。
納税者本人と扶養家族には定額減税として一人あたり年間4万円(世帯4人なら16万円)、住民税非課税世帯には一世帯あたり10万円を給付する案である。
給付は子育て世帯の上乗せが検討されている。
ただ、収入が低く減税額4万円未満には対応が必要となる。
問題は減税と給付の二本立てで制度が複雑で、地方自治体の事務が煩雑になる。
エネルギーの値上がり対応として、ガソリン価格抑制の補助金や電気ガス料金の負担軽減措置は年内から来年4月まで延長される。
仮に継続されると財政を圧迫する可能性がある。
一方、賃上げへの対応策として中小企業の賃上げを促す優遇税制や取引先と円滑に価格交渉できる対策の強化を検討している。
連合は来年の賃上げの目標を5%としている。
成長力の強化としては、半導体産業への対応として自動運転AIに日本経済の将来
を期待し多額の補助金を検討している。
関連産業への波及や地域経済の活性化も期待されるが、人手や住宅不足も課題となる。
これらの経済対策で政府試算はGDP(実質)19兆円、成長率1.2%程度押し上げると見込んでいる。
減税や給付が貯蓄に回ると経済効果に結びつかないし、物価高や人手不足に拍車がかからないか懸念する向きもある。
医療介護や少子化対策なども盛り込まれているが、対策が財政を圧迫することのないよう中長期的な検討が求められる。
(写真)
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