2023/12/15
「日本の凋落は止められるのか」<598>
一橋大学名誉教授の野口悠紀雄氏による解説。
・日本のGDP(4.23兆ドル)は2023年にドイツに抜かれ世界第4位(米中独日)に後退する見込み。
・中国の対GDP防衛費は日本の10倍。
・日本独自ではなく同盟関係をどう構築していくかに変更していく必要がある。
・重要なのは国民1人当たりのGDPが豊かさの指標。
2020年で日本は4万ドル。
ルクセンブルクの12万ドルを筆頭に17番目で、イギリスの次に位置する。
・市場為替レートによる一人あたりのGDPは、ユーロ圏を1として日本は50年続いていた先進国水準を落ちようとしている。
・日本の国際的地位低下の原因。
1、為替レートが円安になっている。
とくに2013年からの大規模金融緩和政策が影響している。
2、円評価の経済成長率が1990年代頃から継続的に低下している。
・生産性の低下要因は少子高齢化と人口減少。
岸田内閣は異次元の少子化対策を掲げているが、労働力になるには年数がかかり、高齢者の医療介護のコスト負担が圧迫している。
・1990年代以降の経済対策は円安、低金利、補助が中心。
・円安は輸出額を増加させるが見せかけであり、輸入のコスト増は価格転嫁するから利益は増える。
生産性が高まる訳ではない。
それが技術開発を遅らせた原因である。
・生産性を高めるには新しい技術開発を促進させる政策が必要である。
人材の質投資とディジタル化が柱になる。
・経営者の国際感覚が極めて低い水準にある。
・そのためにはリスキリングと大学の教育システムを根本から変革することが必要だ。
・企業も人材の質を高めて待遇改善しなければ成長はない。
(写真)
TKC企業防衛サミット2023での研修と懇親ゴルフコンペ。
(12/6~7、ウェスティンホテル横浜とレイクウッドカントリークラブ。写真・私の隣は齋藤妙プロと工藤稔大同生命会長。)
この記事へのコメントを書く