民間金融機関による実質無利子・無担保融資により受給した保証料補助に関する収益計上時期の取扱い
新型コロナウイルス感染症の影響に伴い、国を中心に事業者に対して様々な助成金の支給が行われています。法人がこの助成金を受け取った場合、いつの時点で収益計上するのかが税務上のポイントといえますが、助成金の性質等に応じて都度検討していかなければなりません。
先日ご案内した『新型コロナウイルス感染症特別利子補給制度に係る利子補給金の収益計上時期』は、政府系金融機関からの借入利子に係る実質無利子とするための助成金の取扱いでした。今回は、引き続き、国税庁から公表されている「国税における新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応と申告や納税などの当面の税務上の取扱いに関するFAQ」より、セーフティネット保証などの民間金融機関からの借入利子や保証料が実質無利子等となる補助を受けた場合の収益計上時期について、以下、ご紹介します。
(問7-3 民間金融機関による実質無利子・無担保融資により受給した保証料補助に関する収益計上時期の取扱い)
[相談]
当社では、新型コロナウイルス感染症緊急経済対策の民間金融機関による実質無利子・無担保融資制度を利用し、信用保証に係る保証料の全額補助を受けることとなりました。
この制度では、信用保証協会への保証料の支払を国が行うものであるため、当社から信用保証協会へ支払う保証料はありません。
通常、信用保証に係る保証料については、保証期間分の保証料の額をまとめて信用保証協会に支払い、保証期間に応じて対応する保証料の額を費用として計上していました。この制度の保証料補助については、どのような処理となりますか。
[回答]
○ ご質問の保証料補助については、特段の処理を行わなくても差し支えありません。
○ 融資を受けた場合に信用保証協会に支払う保証料については、信用保証協会から保証期間における信用の保証という役務提供を受け、その対価として支払うこととなります。また、保証期間分の保証料の額を最初にまとめて支払うのが通常のようです。この場合の会計処理は、そのまとめて支払った保証料の額は前払費用として資産の部に計上し、保証期間の経過に応じて、対応する保証料の額を費用の部に振り替えることとなります。税務上の取扱いも同様です。
○ ご質問の保証料補助については、信用保証協会に支払う保証料の全額を国が支払うこととなりますので、法人が支払う保証料は生じません。
そのため、法人において特段の会計処理を行う必要はありません。税務上の取扱いも同様です。
○ なお、この制度では、保証料の半額を補助する場合もあります。この場合には、保証料の額の半分を国が支払い、残額を法人が信用保証協会に支払うこととなります。
この場合の会計処理は、その支払った保証料の額(半額相当)を前払保証料等として資産の部に計上し、保証期間の経過に応じて、対応する保証料の額を費用の部に振り替えることとなります。税務上の取扱いも同様です。
[参考]
国税庁「国税における新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応と申告や納税などの当面の税務上の取扱いに関するFAQ」
※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
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