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やさしい税務会計

暗号資産(仮想通貨)同士の交換を行った場合の所得税の課税関係

[相談]

私は昨年(2020年)初めて、ビットコインを100万円分購入しました。
その後、その取引価格が急激に上昇(現在の1単位あたりの時価は600万円を超えています)したのですが、売却等は行っておらずそのまま保有を続けています。
今年に入り、その値上がり益の有効活用方法として、ビットコインを他の暗号資産へ交換することを検討しているのですが、その交換を実行した場合には、その交換の過程において日本円に換金していない場合でも所得税の課税対象となると聞きました。
これは本当でしょうか。教えてください

 

 

[回答]

暗号資産同士の交換を行った場合には、所得税の課税対象となります。

 

 

[解説]

個人が保有する暗号資産(以前は「仮想通貨」といわれていましたが、2020年5月1日より「暗号資産」へ呼称変更されています)を他の暗号資産と直接交換した場合には、その取引の過程で日本円に換金していないことから所得税が課税されない、と考えてしまう向きが一部にあるようです。

しかし、我が国の所得税法では、暗号資産と他の暗号資産を交換した場合には、交換のために用いた暗号資産を譲渡(=日本円に換金)したと考えることから、その譲渡について発生した利益について所得税が課税されることになります。

以下、具体例を挙げて説明します。

 


(前提条件)
  • ① 2020年におけるビットコインの購入価額(1単位):1,000,000円
  • ② 2021年におけるビットコインの時価(1単位):6,000,000円
  • ③ 2021年に購入した他の暗号資産の時価:6,000,000円
(所得税の課税対象額の計算)
  • 6,000,000円(上記③)-1,000,000円(上記①)=5,000,000円

 

このように、暗号資産を他の暗号資産に直接交換した場合には、その取引の過程で日本円への換金を行っていない場合であっても、交換のために用いた暗号資産(今回のご相談の場合はビットコイン)の譲渡があったものとして、その譲渡により発生した所得に対し、所得税が課税されることになります。

 

[参考]
国税庁「暗号資産に関する税務上の取扱いについて(情報)(令和2年12月18日)」など

 

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
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